シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.6 耳垢栓塞(じこうせんそく)

耳鼻咽喉科(副医長) 中野 智昭

みなさんは、自分の耳垢(みみあか)がどんな色や柔らかさ、湿り具合かご存知ですか?

耳垢は、耳の穴の皮膚が剥がれ落ちたものや、まわりの皮膚から出てくる油、ほこりなどが練り合わさって出来たものなのです。

これらの割合などが関係して耳垢の外観は少しずつ違いが現れてくるのです。その様相は、まさに千差万別なのです。外来に来られる患者さんの中には、" 耳の中から黒い塊がたくさん出てくるので見てほしい "とのことで受診される方もいるほどです。案外、自分の耳垢がどんなものかを知らない方が多い様ですが、それを知っておく事で役に立つこともあるのをご存知でしたか?例えば、普段にくらべて水っぽい耳垢が出てきたときは、もしかしたらそれは耳だれ?かもしれません。また、いつもより色の白い柔らかな耳垢の場合は真珠腫といわれる病気かもしれません。ご自分で耳掃除をされるときなど、気をつけて観察してみるのもいいでしょう。

前置きが長くなりましたが、耳垢栓塞という疾患はそれら耳垢が耳の穴の中でたくさん溜まることにより、音の伝わりが悪くなる状態を言います。耳の穴が耳垢で塞がってしまい、あたかも"栓"の様な状態になる、ということです。その結果として、先程にも触れたように難聴が出現する他、耳が塞がった様な状態(耳閉感)、耳鳴り、耳のかゆみ、などが出現します。症状の発現は、長期にわたり耳掃除をされていない方などが、何かの拍子に難聴として自覚されることがほとんどですが、中には久しぶりに耳掃除をしていて自分で耳垢を奥に押し込んでしまう事により突然難聴を生じるものや、入浴やプールなどへの入水の際に耳垢がふやけて生じるものなどもあるようです。

耳垢栓塞に対する対策としては、ある程度こまめな耳掃除を心がけることが予防の第一歩ですが、かなり溜め込んでいる方は無理をせず耳鼻科で除去してもらう方が無難だと思います。

最後に、子供の耳掃除について触れたいと思いますが、最近ご自宅での耳掃除の際にあやまって鼓膜を破ってしまったり、内耳炎の可能性から入院や手術が必要になる症例が増えてきております。ご自宅ではあまり無理をせず、出来るだけ子供の耳掃除は耳鼻科で施行してもらう様にしましょう。

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