シリーズ病気 No.18 手術で治る難聴もあるんですよ
耳鼻咽喉科(副部長) 渡邊 雄介(わたなべ ゆうすけ)
難聴は治らないものだと諦めていないでしょうか?難聴を引き起こす病気の中には現代の医療レベルでは治せないものもあるのですが、手術によって聞こえを取り戻す事ができる病気もあるのです。今日はその病気と治療方法についてお話をさせて下さい。
さて、耳は外耳、中耳、内耳と大きく分けられます。(左図)その3つのどの部分を障害されても難聴になってしまいます。外耳障害によるもの…例えば耳垢が詰まってしまったものなどは、簡単な処置によって治癒させる事が可能です。現在、手術治療で聞こえを取り戻す事が出来るのは、主に中耳障害による難聴です。中耳は鼓膜と3つからなる耳小骨(つち骨、きぬた骨、あぶみ骨)があり、それぞれが振動することによって頭に音を伝えています。やはりこのどの器官が障害を受けても難聴の原因となります。
例えば…
- 慢性中耳炎
何度も中耳炎を繰り返すなどの理由で鼓膜に穴が開いてしまって閉鎖していない状態です。さらに耳小骨も溶けて無くなっている場合には難聴もひどくなります。手術は局所麻酔、全身麻酔どちらでも出来ます。耳はとても小さな器官ですので、顕微鏡を使用して手術をします。鼓膜の穴は筋肉の上にある膜(筋膜)や結合組織等を使用して鼓膜再生を促します。また、耳小骨が溶けている場合には耳介軟骨などを加工し、耳小骨の変わりにおくことにより聞こえを改善させます。この手術の事を専門的には鼓室形成術と呼んでいます。手術によっては殆ど皮膚を切ることも無く耳の中だけを切る手術方法もあります。 - 耳硬化症
耳小骨の中で3番目にあるあぶみ骨の動きが悪くなってしまうために難聴を来す病気です。手術はあぶみ骨の変わりにピストンを使用し聞こえを改善させる事ができます。やはり局所麻酔、全身麻酔どちらでも出来ますし、殆ど皮膚を切らずに手術を行う方法もあります。 - 浸出性中耳炎
耳と鼻をつないでいる耳管機能が低下してしまっているために中耳に浸出液が貯まってしまって難聴になる病気です・風邪を引くと耳が詰まった感じや自分の声が響くような感じになりますが、これが耳管閉鎖の状態です。これはお子様に多い病気です。その際には鼓膜を切開し中の浸出液を出したりしますが、長くかかる場合には鼓膜に液が貯まらないようにチューブを挿入したりします。
以上 3つの病気について簡単に説明をさせて戴きましたが、難聴でお困りの場合にはお気軽に耳鼻咽喉科外来を受診なさって下さい。きっとお力になることが出来ると思いますよ。
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