シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.25 睡眠時無呼吸症候群

内科(副院長) 藤井 隆(ふじい たかし)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、上気道(口・鼻から咽頭・喉頭・気管にかけての空気が通る部位)の閉塞などが原因で睡眠中に何回も呼吸が止まる病気です。無呼吸が長く持続しますと体は低酸素状態となり、そのため意識が覚醒して呼吸が再開します。その結果十分な睡眠が得られず起床時に熟睡感がなく日中の眠気や倦怠感などの症状が起こります。眠気のために交通事故や労働中の事故を引き起こす危険があることは報道でもよく取り上げられています。事故の危険だけでなく仕事への集中力が不足して作業能率も悪くなります。また、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併も多くなることが指摘されています。

SASの診断

SASの原因や重症度を調べたり治療方針などを決めるためには診察と検査が必要です。診断に用いる睡眠ポリグラフィー検査は睡眠の状態を調べる検査で、頭・鼻・口・胸・手指などにセンサーをつけて呼吸状態とともに脳波や心電図・胸の動き・酸素飽和度などを測定します。痛みや検査に伴う危険は全くありません。当院では外来で診察後、SASが疑われる方は1泊2日の検査入院で確定診断をしています。ご自宅で行う簡易スクリーニング検査も可能ですが、結果によっては、やはり入院検査が必要になることもあります。

SASの治療

適切な治療を行うと日中の眠気、倦怠感などの症状がなくなり生活の質(QOL)が向上します。また高血圧などの合併症を予防したり改善することにもつながります。軽症の方は肥満の注意、飲酒の制限などの生活習慣改善により軽快することもありますが、中等症以上の方は鼻マスクから陽圧をかけて気道に空気を送り込む持続陽圧呼吸療法(CPAP)が第一選択です。良好な睡眠は健康面でも社会的にも非常に重要です。毎晩激しいいびきをかく方、よく居眠りをする方は眠気を評価する簡単な検査(ESS法)で自己チェックしていただき、SASについてご心配の場合はかかりつけの先生もしくは当院内科担当医にご相談下さい。

SAS : Sleep apnea syndrome 睡眠時無呼吸症候群
QOL : Quality of life 生活の質
CPAP : Continuous positive airway pressure 持続陽圧呼吸療法

眠気の評価方法(ESS法)

ESSでは、以下の8つの状況での眠気を
0:決して眠くならない
1:稀に(ときに)眠くなる
2:1と3の中間
3:眠くなることが多い
で4段階評価する。
⇒11点以上を異常な眠気とする

状況 点数
1.座って読書をしているとき 0 1 2 3
2.テレビを見ているとき 0 1 2 3
3.公の場所で座って何もしないとき(例:劇場や会議) 0 1 2 3
4.1時間続けて車に乗せてもらっているとき 0 1 2 3
5.午後横になって休息するとき 0 1 2 3
6.座って誰かと話をしているとき 0 1 2 3
7.昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき 0 1 2 3
8.車中で、交通渋滞で2~3分止まっているとき 0 1 2 3
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