シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.35 子宮がん検診

産婦人科(医長) 阪倉 滋是 (さかくら しげよし)

平成17年度より富田林市公費(無料)子宮がん検診が30才以上→20才以上2年に 1回に変更されました。 今年度は誕生年が和暦(昭和、大正)で偶数の方のみが対象となります。 今回の変更は厚生労働省指針に従ったもので、

  1. 若い世代において子宮頚がんが増加している事。
  2. 子宮頚がん検診を毎年受診した場合と3年に1回受診した場合で検診効果にわずかな(?)差しか見られないという研究結果に基づくものと思われます。
1.について・・・

子宮頚がんの罹患は全体として減少傾向ですが、20才台ではこの20年で2~4倍に増加してきています。これは子宮頚がんがヒトパピローマウイルスによる性感染症と深く関係し、性活動の活発な現代の若い世代に感染が増している為と考えられています。(このウイルスは性交により誰にでも感染する可能性があり、日本の若年者では40%に感染がみられたとの報告もあります。)こういった状況から検診開始年令を引き下げた事は妥当と考えられます。

2.について・・・

2年に1回という隔年検査への変更は欧米諸国の指針や研究結果を根拠としているようですが、しかしそれらをすぐにそのままわが国に持ち込むには問題があります。日本人と欧米人とでは遺伝子、生活環境等が大きく異なり、がんの発生率やそのがんの組織、内訳の違い、また、がん検診の受診率も圧倒的な差があります。引用された研究結果についても、毎年検査で3回以上連続して異常を認めなかった場合の以後の検査間隔を論じたものです。

近年日本人の子宮頚がんの内、初期がんの占める割合が大きくなっており、これは毎年検診の成果であるとも考えられています。早期発見は早期治療につながり、合併症、後遺症の少ない縮小手術も可能になります。結婚、出産の高齢化時代には子宮、卵巣が温存出来る事は大きな利点でしょう。一般に子宮がん検査では偽陰性(見落とし)が数%発生するとも言われており、隔年検査で最悪4年が経過すれば進行がん発生には十分な時間と言えます。さらに、毎年検診ですら発見しにくい腺がん(子宮頚がんの10%)の存在もあります。

以上より、結論として(現時点では) 子宮がん検診は20才より開始し1年に1回(公費以外の年は個人受診)が適切と考えます。

検診受診には、時間も手間もそしてお金までかかることとなってしまいましたが??? それで得られる安心も大きいと思います。自分の生命や健康は自分で守るしかありません。

喫煙も子宮頚がんの危険因子です。

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