シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.62 更年期障害

産婦人科(部長) 鷲田 彰子

日本人女性の閉経年齢は約50歳です。更年期とは45歳ごろから閉経をへて安定する55歳ごろまでの期間をいいます。40歳台に入ると卵巣の働きは低下し始め、2つの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が減少し、その影響が身体面や精神面にいろいろ現れてくるのが更年期症状です。また、更年期障害とは「更年期に現れる多種多様の症候群で、気質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」であると日本産婦人科学会では定義されています。更年期の女性をとりまく環境は、精神的にも肉体的にも多くのストレスがあるので、更年期障害は女性ホルモン減少だけでなくこうしたストレスに影響を受けることがあります。また性格的に更年期症状を発生しやすかったりしにくかったりもします。女性の平均寿命が延びた現代において、閉経後の30年あまりの期間の生活の質を確保するためにも更年期をいかに過ごすかが大事になっています。
更年期障害の症状としては、顔のほてり、発汗、手足の冷え、動悸や息切れ、不眠、いらいら、抑うつ症状、頭痛やめまい、疲れやすい、肩こりなどがあります。いろんな症状がありますので、他科疾患(内科、整形外科、精神科疾患など)の除外が必要で、また器質的な婦人科疾患の除外も必要ですので様々な検査を必要とします。
更年期障害の治療は、薬物治療だけでなく食事や運動を含む生活指導が必要となってきます。薬物治療としては、自律神経調整剤、向精神薬、漢方製剤、ホルモン剤などがあります。生活改善を基本としてそれに薬物療法を追加していく治療となります。症状や程度は人によって実に様々なので、すべての人に治療が必要であるとは限りません。程度が軽くて自分が気にならないならいいのですが、非常に症状がきつくて生活に支障が出るようなら婦人科医に相談して治療を受けることをお勧めします。
また更年期は女性ホルモンの減少と加齢により様々な体の変化が起きてくる(骨粗しょう症、動脈硬化、尿失禁など)時期です。高齢期によりよい生活を送れるために今から気をつけることが必要です。
以下に簡易更年期指数(SMI)を示します。症状の程度に応じ(どれか一つでも症状が強くでれば、強とする)、自分で点数を入れて、その合計点をもとにチェックしてみてください。

          症  状

 

 中

 弱

な し

点 数

① 顔がほてる

 10

 6

 3

 0

② 汗をかきやすい

 10

 6

 3

 0

③ 腰や手足が冷えやすい

 14

 9

 5

 0

④ 息切れ、動悸がする

 12

 8

 4

 0

⑤ 寝つきが悪い、眠りが浅い

 14

 9

 5

 0

⑥ 怒りやすく、イライラする

 12

 8

 4

 0

⑦ くよくよしたり、憂うつになる

 7

 5

 3

 0

⑧ 頭痛、めまい、吐き気がよくある

 7

 5

 3

 0

⑨ 疲れやすい

 7

 4

 2

 0

⑩ 肩凝り、腰痛、手足の痛みがある

 7

 5

 3

 0

合 計 点

 更年期指数の自己採点の評価法

  025点・・・・異常なし

  2650点・・・食事、運動に注意

  5165点・・・更年期・閉経外来を受診

  6680点・・・長期間の計画的な治療

  81100点・・各科の精密検査、長期の計画的な対応


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