シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.85 過活動膀胱

 泌尿器科 副医長 齊藤 允孝

  1. 過活動膀胱とは:

    過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は「尿意切迫感を必須とした症状であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものである」と定義されており、夜間頻尿はOABに伴うことが多く、尿路に感染、炎症、結石、癌などの明らかな病変がないにもかかわらず、突然に起こる耐え難い尿意(尿意切迫感)を自覚する場合はOABが存在していると考えられています。

  2. 症状:

    突然に起こる耐え難い尿意(尿意切迫感)があり、昼夜を問わず頻尿や尿失禁を認めます。

  3. 原因:

    脳梗塞などの神経疾患や、加齢、前立腺肥大症などの下部尿路閉塞、骨盤底筋の脆弱化などがあります。

  4. 診断:

    過活動膀胱は下記の質問表にて診断されます。

    1. 朝起きた時から寝る時までに何回くらい尿をしましたか?
          7回以下:0点
          8回~14回:1点
          15回以上:2点
    2. 夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿をするために起きましたか?
          0回:0点
          1回:1点
          2回:2点
          3回以上:3点
    3. 急に尿がしたくなり、我慢が難しいことがありましたか?
          なし:0点
          週に1回より少ない:1点
          週に1回以上:2点
          1日1回くらい:3点                      次項
          1日2回~4回:4点
          1日5回以上:5点
    4. 急に尿がしたくなり、我慢できずに尿をもらしたことがありましたか?
          なし:0点
          週に1回より少ない:1点
          週に1回以上:2点
          1日1回くらい:3点
          1日2回~4回:4点
          1日5回以上:5点

      質問3の尿意切迫感スコアが2点以上、かつ、合計点数が3点以上の場合は過活動膀胱と診断されます。
  5. 治療:

    原因にもよりますが、膀胱訓練(排尿を我慢して膀胱を拡げる訓練)、骨盤底筋群運動(お尻を閉める運動)、膀胱を拡げて1回の排尿量を増加させる内服薬(抗コリン剤)の使用が一般的であります。内服薬の副作用としては、口渇、便秘、目のかすみ、尿の切れが悪い(排尿困難)等があります。

  6. まとめ:

    頻尿、尿意切迫感でお困りの方は過活動膀胱の可能性があるので、泌尿器科受診をお勧めします。

 ページの先頭へ戻る