シリーズ「病気」

シリーズ病気 No.93 耳閉感

耳鼻咽喉科(副医長) 疋田 紀子

耳閉感”、いわゆる耳の中が「つまった感じ」、「ふさがった感じ」、「膜がはった感じ」、「高いところに登った時のような感じ」、「水が入ったような感じ」などは多くの人が一度は経験したことがある症状だと思います。登山や飛行機、風邪での鼻づまりがきっかけで生じるときもあれば何の誘引もなく耳閉感が生じることもあります。経験的に口を大きく開けたり、あくびをしたりしてすぐに耳閉感から解放されることが多いですが症状が改善しない場合は病気が隠れている可能性があり精査が必要です。 では、耳閉感を引き起こす病気としてはどのようなものがあるのでしょうか?


耳閉感をきたす病気
  1. 外耳(耳の入り口から鼓膜まで)
    • 耳垢(みみあか)⇒除去
    • 外耳炎…耳掃除のしすぎや触りすぎで外耳道がはれる⇒軟膏、点耳薬、内服治療
    • 外耳道異物…ビーズ、虫、綿など⇒除去
    • 外耳道腫瘍⇒画像検査や病理検査など
  2. 中耳(鼓膜の内側)
    • 急性中耳炎…耳痛、耳だれ、鼓膜が赤い、鼓膜がはれている⇒点耳薬、内服、鼓膜切開
    • 滲出性中耳炎…鼓膜が薄赤い・やや黄褐色、軽い伝音難聴⇒耳管通気(鼻のあなから入れた管を通じて耳の方向に空気を送る処置)、内服、鼓膜切開、チューブ留置
    • 耳管狭窄症⇒内服、耳管通気
  3. 内耳(中耳のさらに奥)
    • 突発性難聴…突然の感音難聴、原因不明、耳鳴り⇒早期の点滴治療
    • メニエール病…めまい、耳鳴り、難聴の反復⇒内服、点滴治療など
  4. その他
    • 聴神経腫瘍などの脳腫瘍…感音難聴、MRI検査で腫瘍確認
    • 鼻咽頭腫瘍…ファイバースコープ検査を行い確認⇒画像検査や病理検査
    • 顎関節の障害⇒口腔外科受診

耳閉感が続く場合、問診に加えて外耳道や鼓膜、鼻腔、口腔を観察して、聴力検査やティンパノメトリー(鼓膜の動きを調べる検査)、平衡機能検査、ファイバースコープ検査、画像検査などを必要に応じて行い上記のような病気が無いかを調べます。大変な病気の可能性もありますので耳閉感(耳のつまり感、膜がはった感じ)があれば早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

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