初期臨床研修医募集要項
初期臨床研修プログラムの特徴
- 当院は大阪府南河内医療圏(人口約70万)の地域中核病院の一つであり、とくに富田林市を中心とした診療圏(1市3町村)では唯一の公的病院としての使命を持つ。そのため救急を含む日常の一般診療を通して豊富な症例を経験し、プライマリ・ケアを中心に基本的な幅広い診療能力を修得できる。
- 臨床研修病院として、2年間で厚生労働省が定めた内科・外科・麻酔科・小児科・産婦人科・精神科・地域保健医療福祉のすべてを必修科として研修することが出来る。
- 地域医療・福祉・保健への取り組みを通して高齢者医療、地域連携、介護福祉等を研修できる。
- 選択科研修では将来の志望も考慮して選択期間を8ヶ月設けていて、初期研修に加えて、広範囲かつ将来の専門研修に繋がる内容の研修を受けることが可能である。
- 院内で開催されるCPC、各種教育セミナー、講演会への参加がプログラムに組まれていて医師としての資質が培われる。
- 研修期間中、専門的な診療も経験し将来の専門研修へも繋がる。また科学的、研究的な態度も指導され、学会・研究会での発表の機会も与えられる。
- 初期臨床研修終了後シニア・レジデントとして診療科を特定した専門研修のコースに進むことが出来る。
初期臨床研修プログラムの基本理念
人口の高齢化、慢性疾患の増加、在宅医療の進展等医療と日常生活とが接する場面が増加してきている。医師は、単に専門分野の疾患を治療するのみでなく、医師として患者、家族の抱える様様の身体的、心理的、社会的問題も的確に認識・判断し、問題解決を図ることができる能力、いわゆる患者を全人的に診る能力を身につけることが重要になってきている。また、患者・家族も医療に参加するインフォームド・コンセント、チーム医療の推進、家族や福祉サービス関係者等患者本人以外との関わりの拡大など医師のコミュニケーション能力の向上も求められている。このことを踏まえ、本院の基本理念、基本方針にも基づき、本院臨床研修の基本目標は以下の事を目指すものである。
初期臨床臨床研修基本目標
- 医師としての人格を涵養し、将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的ニーズを認識する。/li>
- 日常診療で遭遇する頻度の高い疾病や病態に適切に対応できるよう、基本的な診療能力(知識、技能、態度、判断能力)を身につける。
- 緊急を要する疾病に対する初期診療能力を身につける。
- 患者の有する問題を身体的、精神心理的、および社会的側面から全人的に理解し、適切に対応できる能力を身につける。
- 患者および家族との望ましい人間関係を確立しようと努める態度を身につける。
- 慢性疾患患者や高齢患者の診断、治療、予防、在宅医療やリハビリテーション・社会復帰につき、総合的な管理計画に参画できる。
- 末期患者を全人的に理解し、身体症状のコントロールだけでなく心理社会的側面、死生観・宗教観などへの側面へも対処できる。
- チーム医療の原則を理解し、他の医療メンバーと協調できる。
- 適切なタイミングで、コンサルテーション、患者紹介ができる。
- 保険診療や医療に関する法令を遵守できる。
- 自己評価を行い、第三者による評価を受け入れ、診療にフィードバックする態度を身につける。
- 生涯にわたる自己学習の態度を身に付ける。
- 医療安全への配慮、病院感染防止、診療録記載は医療の基本としてとくに重要な要素であり、臨床研修を通してしっかりと身につける。
初期臨床研修プログラムの概要
ローテート方式
なお、研修開始前にオリエンテーションコースを一定期間(2週間)設定する。
○前期(1年目):内科6ヶ月・外科3ヶ月・麻酔科3ヶ月をローテート
○後期(2年目):小児科1ヶ月・産婦人科1ヶ月・精神科1ヶ月・地域医療1ヶ月・選択科(8ヶ月)
研修プログラム指導責任者 副院長 藤井 隆
| 1年 | |||
|---|---|---|---|
| 内科(3ヶ月) 循環器・内分泌代謝・腎臓・一般(3ヶ月) |
内科(3ヶ月) 消化器・呼吸器・免疫血液・感染症(3ヶ月) |
外科(3ヶ月) | 麻酔科(3ヶ月) |
| 2年 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 小児科1ヶ月 | 産婦人科1ヶ月 | 精神科1ヶ月 | 地域保健医療福祉1ヶ月 | 選択科 選択診療科にて8ヶ月研修 原則3科まで選択 |
※精神科研修は大阪さやま病院で、地域保健医療福祉は富田林市介護老人保健施設及び医療法人順心会前田クリニックで、産婦人科研修は済生会茨木病院
- 内科救急疾患、外科救急疾患については内科、外科ローテート中に経験する。
- 小児科・産婦人科研修中に分娩・育児について研修する。
- 精神科1ヶ月研修は協力型病院である大阪さやま病院で実施される。
- 地域保健医療福祉1ヶ月研修は協力施設である富田林市介護老人保健施設及び地域診療所で行われる。
- 選択研修は研修プログラムに参加する当院の診療科の中から自由に選択して研修する。期間を分けて3科まで選択することが望ましい。
- CPC(病理カンファレンス)にはすべての研修医が参加できるようにする。
- オリエンテーションコース:ローテーション開始前にオリエンテーションを行う。オリエンテーションプログラムには診療録・診断書記載、保険診療、オーダリング、心肺蘇生法などを含む。
- また研修期間中に病院感染対策、リスクマネジメント、放射線画像診断、救急診療などの講習会、セミナーを開催し、研修医が参加できるようにする。
研修必修科(部門)
内科|外科|麻酔科|小児科|産婦人科|精神科|地域保健・医療・福祉|泌尿器科
整形外科|眼科|耳鼻咽喉科|放射線科|皮膚科|形成外科|臨床検査科・病理
内科
1.基本理念
内科の臨床は患者の全身的問題と臓器別の専門的問題の両方について知識と経験、技術を駆使して患者の診断と治療にあたることである。この場合、研修の全体理念にもあるように患者及びその家族に対して全人的な医療が行えなければならない。内科診療に必要とされる基本的な診察法、検査・治療法を学ぶことは卒後初期研修として中核的位置を占めるが、その上で更により専門性の高い内科専門医療についても研修することが可能である。研修での達成目標は、地域の第一線病院としての性格もあり、プライマリ・ケアを修得できることを目標とするが、内科各領域の代表的な主要疾患も経験できる。
2.研修内容
- 内科研修としての必修期間6ヶ月を3ヶ月ごとに2つのグループに分けてローテートする。
- 内科各分野の主要疾患を経験し、関連する検査・治療手技を修得する。
- 入院患者は10人程度を指導医とともに担当する。
- 研修の後半では週1回外来診察を担当する。
- 急患、救急搬送患者についての診療に加わる。
- 画像診断、内視鏡診断などの検査を上級医の指導の下に行う(経験する)。
- 回診、カンファレンス、症例検討会、抄読会、CPC、学会、研究会等教育的行事に参加し、発表する。
- 入院病歴要約を作成し、指導を受ける。
- 上級医とともに当直し、救急疾患の診療に加わる。
- 病理解剖に積極的に取り組む。
- 日本内科学会、日本循環器学会近畿地方会などで経験した症例について発表する。
○循環器
- 日常診療で頻繁に遭遇する循環器系疾患(心不全、虚血性心疾患、不整脈、高血圧症、動静脈疾患など)に適切に対応できるように、基本的診療能力を身につける。
- 基本的診察法(問診、血圧測定、打診、聴診など)
- 検査(胸部レ腺、心電図、運動負荷心電図、ホルター心電図、心エコー、心臓カテーテル検査など)
- 処置(心肺蘇生、血管確保、中心静脈穿刺、動脈穿刺、電気除細動など)
- 治療(心不全、狭心症、心筋梗塞、不整脈、弁膜症、心筋症、大動脈瘤、血栓症、高血圧など循環器疾患の病態を理解した適切な診断と治療)
○内分泌代謝
- 日常診療で頻繁に遭遇する内分泌代謝疾患に適切に対応できるように、基本的診療能力を身につける。
- 糖尿病、高脂血症、痛風、肥満など生活習慣と関連するcommon diseasesの診療を学ぶ。
- 患者・家族への療養指導、またコメデイカル・スタッフとの協力などチーム医療についても研修する。
- 基本的診察法(病歴、身体所見を把握、整理記載)
- 検査((1)病歴、身体所見から得た情報をもとに必要な検査を選択、指示、施行。(2)ホルモン、電解質、脂質など検査値の評価、(3)各種内分泌負荷試験、X線・超音波検査・MRI検査等画像診断、(4)総合的判断、内分泌疾患の鑑別診断、(5)糖尿病合併症の評価)
- 治療((1)食事療法の指導を含めた患者の指導・治療、(2)糖尿病教室、糖尿病入院などコメデイカルとの連携、(3)運動療法の適応判定と指導、(4)適切な薬物療法の選択、(5)血糖自己測定指導など
○腎臓
- 腎臓疾患を中心に水・電解質異常、酸塩基平衡異常、糖尿病など全身性疾患に伴う腎臓合併症などの病態を理解し、的確な診断と治療を学ぶ。腎不全についての血液透析については透析センターでのチーム医療に参加する。
○一般
- 脳血管障害を代表疾患とする意識障害、めまい、ふらつき、しびれ、麻痺など日常的に遭遇する頻度の多い症候について鑑別診断(診察・検査)、治療について習得する。
○消化器
- 日常診療する機会の多い消化管疾患、肝胆膵疾患に関する基本的な診察、検査、治療を修得する。急性腹症、消化管出血などの消化器救急についても経験する。
- 悪性腫瘍の症例も多く、また治療方針についても個々に異なるため、患者・家族への接し方、インフォームド・コンセントについて修得する場となる。
- 主要な消化器疾患を経験する。
- 上部・下部内視鏡検査について上級者の指導の下に経験する。
- 専門的な検査、治療について実際を見学し、要点を理解する。必要に応じて検査・治療の助手を務め、施行前後の患者管理を習得する。
○呼吸器
- 肺炎など呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患、肺癌を主とした呼吸器疾患の診断、治療について修得する。胸部レ腺、CTなど胸部画像診断についても学ぶ。
○免疫・血液
- 関節リウマチを主とした骨関節疾患、膠原病及び類縁疾患、喘息などアレルギー疾患、自己免疫疾患について診断、治療を研修する。
- 多臓器障害、不明熱など全身性疾患へのアプローチのし方も学ぶ。
- 血液領域では貧血、リンパ節腫大などの主要症状の鑑別診断、造血器悪性疾患の診療、化学療法、輸血療法などを学ぶ。
○感染症
- プライマリケアとして頻度の多いウイルス性疾患、細菌性疾患について症例を経験する。
- 感染症対策の基本を習得する。
- 免疫低下状態における日和見感染症についての対策が基礎疾患の治療とともに重要であることを学ぶ。
主な診療内容(平成18年)
循環器
心臓カテーテル検査 132件、PCI 22件、ペースメーカー植え込み19件
消化器
上部消化管内視鏡検査 2,417件
下部内視鏡検査 2,428件(大腸ポリペクトミー301件)
PEG 27件
内科時間外患者数
3140人(病院全体では6120人)
内科救急搬送件数
972件(病院全体では1571件)
人工透析件数
11191件
内科CPC開催
9回
学会・研究会発表
10件(内研修医発表5件)、論文発表5件
| 病名 | 件数 | 病名 | 件数 | 病名 | 件数 | |||
| 1 | 肺炎 | 194 | 8 | 慢性腎不全 | 62 | 15 | 胃潰瘍 | 31 |
| 2 | 糖尿病 | 165 | 9 | イレウス | 53 | 16 | 消化管出血 | 26 |
| 3 | 大腸ポリープ | 86 | 10 | 気管支炎 | 53 | 17 | 悪性リンパ腫 | 25 |
| 4 | 胃腸炎 | 78 | 11 | 関節リウマチ | 47 | 18 | 気管支喘息 | 23 |
| 5 | 肝癌 | 77 | 12 | めまい症 | 42 | 19 | アルコール肝疾患 | 20 |
| 6 | 心不全 | 75 | 13 | 慢性虚血心疾患 | 34 | 20 | 急性心筋梗塞 | 19 |
| 7 | 狭心症 | 66 | 14 | 尿路感染症 | 31 |
外科
基本理念
外科全般にわたる基礎的な診療技術を習得することを目標とする。
特徴
将来外科以外を専門とするものにとっては外科術前術後の患者管理や手術に助手として参加できる唯一の機会であり、真剣に取り組んでいただきたい。
さらに外科専門医を目指すものにとってはこの外科初期研修は将来の基礎となる重要な第1歩となる。本プログラムは外科関連の日本外科学会、日本消化器外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本呼吸器外科学会、日本乳癌学会等の初期研修の期間にも該当する。
研修内容
当院外科の特色とするところは 1.消化器癌の集学的治療、2.Minimal invasive surgeryを目標とした内視鏡外科、3.乳腺甲状腺を中心とした内分泌外科である。
到達目標としては診断、治療方針の決定、手術、術前術後管理を通じて迅速性、正確性の両面を有する医師の養成にある。勤務時間は当院の規定に従うが患者の状態に応じては時間外勤務を要し、宿日直の勤務を要することもあり得る。
以下に具体的内容を述べる。
- 外来においては初診患者の病歴聴取、診察を行い、治療方針、手術適応の有無について十分理解する。
- 検査では超音波検査、上部内視鏡、下部内視鏡検査を各々週1日行っており各検査法を修得する。
- 週1-2例の手術患者を上級医の指導のもとに受け持ち、病歴、身体所見の取り方、画像診断の計画を学び、術前検討会にて発表する。
- 手術には第2助手として立ち会い、解剖を学び、手術器械の操作、縫合、結紮などの基本手技を修得する。
- 術前術後の全身管理、創処置について学び、手術所見、病理診断、術後経過について術後検討会にて発表する。
- 興味ある症例については関連文献を検索し、抄読会にて報告、あるいは学会報告、論文発表の機会も与えられる。
麻酔科
基本理念
麻酔科研修は学生臨床実習では到達できなかった目標を達成することを目的とする。術中の麻酔管理に必要な知識、技術はもちろんのこと、術前、術後にわたる患者の総括的なアプローチを重視し、医師として身につけるべき基本的な姿勢を研修期間中に身につけられるようプログラムしている。研修期間は基本的には3ヶ月となっている。
臨床研修内容
- 術前診察の仕方
- 問題点を有する患者の麻酔方法についての立案
- 麻酔施行前の準備方法:麻酔器のチェック、挿管の準備、薬剤の準備、静脈路確保のための準備、動脈ラインセットの組み立て
- 麻酔実務
A.事務的業務:- 麻酔記録用紙への正確な記載
- その日の麻酔記録のコンピューターへの入力
- 麻酔処方箋の作成
- B.全身麻酔実技面
- マスク換気や気管挿管を含む気道確保
- 静脈ライン、動脈ラインの確保と管理
- 麻酔管理(導入から覚醒まで)の手順
- 術後指示の出し方
- 術後回診での患者の回復過程の把握
- C.脊椎麻酔実技面
- 局所麻酔薬、麻酔レベルの調べ方など一般的知識の確認
- 手袋装着、脊椎麻酔器具扱いでの清潔操作の習得
- 局所麻酔薬による浸潤麻酔の仕方
- 腰椎穿刺から薬液注入までの手順と術中の麻酔レベルの確認
- 術中の患者さんの愁訴への対応と術後指示の出し方
- 術後の麻酔消失過程の確認と患者の満足度や感想の調査
- 施行した麻酔についての反省と評価(業務終了後)
- 麻酔に関する文献の抄読会と学会、講演会への参加
- 麻酔管理に必要な薬剤知識の整理
トレーニングシステムの紹介
- 臨床研修担当のドクターを一人きめる.(責任担当制)
- 業務の場では、常に指導医が横でサポートし、研修医が一人で実務に関わることはない.
- 研修内容で患者が不利益を被りそうな状況が発生しそうなら、直ちに指導医と交代して研修医は見学にまわる.
- 達成した業務内容と交換に新プログラム提示(ステップ制).
- 最終月に"卒業試験"を実施して研修医の目標到達度を評価.
小児科
基本理念と特徴
主に富田林病院小児科外来・病棟において研修を行い、プライマリーケア医としての小児科の基礎知識、技術、診療態度を習得する。
また、当地域の輪番制による小児救急を担当しているので、小児救急の現場を経験することが出来る。
研修の内容
- 血液疾患:溶血性・鉄欠乏性貧血、顆粒球減少症、特発性血小板減少性紫斑病などの診断・治療を行っている。
- 感染・免疫疾患:麻疹、水痘等や小児の一般的な急性呼吸器・消化器感染症、さらに髄膜炎、敗血症などの重症感染症の診断と治療を行っている。また、若年性特発性関節炎,川崎病などの免疫疾患の診断と治療も行っている。
- 腎疾患:急性・慢性腎疾患の診断・治療を行っている。必要に応じて大学病院と連係し腎生検のもと、長期腎疾患患児の管理を行っている。
- アレルギー性疾患:気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの診療を行っている。
- 神経疾患:てんかん性疾患の診療を行っている。
- 心疾患:先天性心疾患、不整脈、川崎病の心合併症等の診断治療を小児心臓専門医のもとで行っている。
- 内分泌疾患:糖尿病の管理、下垂体性小人症の診断・治療を行っている。
- 新生児部門:産婦人科との連係を行い、低出生体重児、その他の周産期疾患を受け入れている。一般的な新生児疾患の診療を経験することができる。
- その他:院内および市の行政協力として、隣接する保健センターなどで、1か月から3歳半までの健診を行っており、各発達段階を理解できる。
週間スケジュール
月曜から金曜の午前中は、外来診察。午後は、病棟の受け持ち患者の回診、健診・ワクチン外来などを下記のスケジュールで行う。
毎週月曜は、輪番制による小児救急のための当直がある。
外来部門
| 午前 | 午後 | |
|---|---|---|
| 月 | 一般外来 | ワクチン外来 |
| 火 | 一般外来 | 1か月健診 |
| 水 | 一般外来/内分泌 | 4か月 |
| 木 | 一般外来/心外来 /アレルギー疾患 |
乳児後期健診、1歳半健診 |
| 金 | 一般外来/腎疾患 | 特殊検査(エコー・IVP等)/3歳半健診 |
| 土 | 一般外来 |
産婦人科
基本理念と特徴
医師にとって、女性の診療を行う上で、女性の生理的、形態的、精神的特徴、あるいは周産期の病態を把握しておくことは、他領域の疾病に罹患した女性の診察時に適切に対応するために必要なことである。このような観点から、新たな医師臨床研修制度のなかに産婦人科研修が必修科目として組み入れられたことを十分理解した上で研修にあたらねばならない。
研修協力施設:大阪府済生会茨木病院
研修内容
本カリキュラムは一ヶ月間の産婦人科の外来および病棟における研修のために作成したものである。
- 女性の病態生理と疾患について
思春期、性成熟期、更年期の生理的、肉体的、精神的変化は女性特有のものである。加齢と性周期におけるホルモン変化に基づく諸々の疾患への診断と治療を研修する。また、婦人科腫瘍については、内診及び超音波断層法、MRI,CT等の画像所見より総合的診断をし、治療については種々の婦人科手術法と手術前後の医師としての対応を研修する。 - 周産期における病態と疾患について
妊娠分娩と産褥期の管理に必要な基礎知識と実践を学ぶ。 正常妊娠における生理的変化、妊娠の異常についての病態と診断、正常分娩と異常分娩の病態と診断、正常産褥の管理、腹式帝王切開術の経験、産科出血に対する応急処置法、産婦人科診療に関わる倫理的問題の理解、母体保護法関連法規の理解、家族計画の理解などを必須項目とする。また他領域との関連において、妊婦に対する投薬の問題、治療や検査をする上での制限等についての特殊性を理解することは必要不可欠なものである。 - 女性特有の疾患による救急医療について
卒後研修目標である「緊急を要する病気を持つ患者の初期診療に関する臨床能力を身につける」とある。女性特有の疾患:子宮外妊娠の破裂、卵巣腫瘍の茎捻転、卵巣出血によるショック時に的確な鑑別診断を下し初期治療を行う救急医療を研修する。
精神科
基本理念と目的
身体疾患を有する患者は不安、抑うつなどの精神障害を伴いやすい。従って、心のケアは精神神経疾患患者のみならず、身体疾患を有する患者に対しても全人的医療を行うために重要である。精神科における臨床研修は、精神神経専門医を目指す医師はもとより、すべての診療科の医師が最低限修得しておくべき精神医学の基本的な知識や手技を学び、心に障害を有するすべての患者に対して適切な初期治療ができるようになることを目的とする。
研修協力施設:医療法人三六会 大阪さやま病院
研修内容
- 入院及び外来患者の診療や症例検討会などに参加する。
- 症状精神病、痴呆性疾患、アルコール依存症、統合失調症、躁鬱病、不安障害などの主たる精神神経疾患についての基本的知識を学ぶ。
- 基本的診察法(問診、病歴聴取、神経学的所見記載、精神症状学的所見記載)、特殊検査(知能・心理テスト、脳画像診断、脳波)、精神科治療法(面接法、心理療法、向精神薬使用法、精神科リハビリテーション)を理解・修得する。
経験目標
(1)診察法・検査・手技
1)精神神経疾患に対する基本的診察態度及び診察法を理解し実践できる。
- 精神医学的面接法
- 病歴・生活史を聴取する技能
- 精神症状の評価及び記載法
- 精神医学的診断分類に関する知識
- 神経学的所見をとる技能
2)検査法
- 心理テスト(知能・性格・認知機能検査など)の実施方法と評価方法
- 電気生理学的検査(脳波)の実施方法と基礎的知識
- 画像検査(CT、MRIなど)の読影
(2)症状・病態・疾患
1)症状精神病
- どのような身体疾患で生じやすいか、またそれぞれの疾患における精神症状の様態と出現の様式、病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法について理解し実践する。
- 精神症状の評価法と記載法について理解し実践する。
- 薬物治療の原則について理解し実践する。
2)アルツハイマー病と脳血管性痴呆およびその他の痴呆性疾患
- 病歴・生活史の聴取法を理解する。
- 診察法を理解する。
- 画像診断法を理解する。
- 認知機能検査法を理解する。
- 精神症状の評価法を理解する。
- 鑑別診断法を理解する。
- 抗痴呆薬の作用機除序、薬物治療法、介護支援制度を含めた介護法を理解する。
(3)アルコール依存症
- 病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法を理解する。
- 精神症状の評価と記載法を理解する。
- 生活指導の原則を含めた治療法を理解する。
(4)うつ病
- 病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法を理解する。
- 精神症状の評価と記載法を理解する。
- 患者に対する対応の原則を理解する。
- 自殺の危険性について理解する。
- 薬物治療の原則について理解する。
(5)統合失調症(精神分裂病)
- 病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法を理解する。
- 精神症状の評価と記載法を理解する。
- 薬物治療の原則について理解する。
(6)不安障害(パニック障害を含む)
- 病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法(ストレスの原因となる事項についての探索を含む)を理解する。
- 精神症状の評価と記載法を理解する。
- 薬物治療の原則について理解する。
(7)身体表現性障害、ストレス関連障害
- 病態を理解する。
- 病歴・生活史の聴取法(ストレスの原因となる事項についての探索を含む)を理解する。
- 精神症状の評価と記載法を理解する。
- 薬物治療の原則について理解する。
地域保健・医療・福祉(必須研修)
医師には患者の健康と疾病についての全体を診ることが期待されており、とくに高齢者に対しては、医師と患者及びその家族との間で十分なコミュニケーションの下に総合的な診療が行われることが必要である。従って、臨床研修では医療という社会的重要性、公共性の高い事業について、地域における多種類の専門職によって担われている保健・医療・福祉の種々の活動を理解し、保健・医療・福祉に関連した基本態度、技能、知識を身につけることが求められる。また、医療はひとつの医療機関で完結できるものではないという地域とのつながりの中で、地域における医療の社会的側面を理解しチーム医療体制での問題解決能力を身につけなければならない。
研修協力施設:富田林市介護老人保健施設「けあぱる」及び医療法人順心会前田クリニック
事業内容
- 施設(老建)入所:定員73名。病状安定期の要介護状態の高齢者に対して在宅復帰を目標に医学的管理の下にリハビリテーションや看護、介護を提供する。
- 短期療養介護(ショートステイ):病状安定期の要介護状態及びこれに準ずる高齢者に対して、一時的に在宅介護が困難となった場合や介護負担の軽減を目的に一時的な入所サービスを提供する。
- 通所リハビリテーション:病状安定期の要介護状態及びこれに準ずる高齢者に対して、通所しリハビリや入浴、食事等のサービスを提供する。
- クリニック:地域のクリニックとしての診療研修及び在宅訪問診療を提供する。
研修目標(行動目標・経験目標)
- 施設に入所している高齢者へのケアを経験し、地域における高齢者のケアシステムの現状を理解する。
- 介護を要する高齢者の家庭復帰に向けた理学療法や作業療法の実際を経験し、その意義を理解する。
- 介護を要する高齢者の在宅ケアの支援事業を経験し、その意義を理解する。
- 施設、在宅サービスと地域、行政、医療、保健との連携を理解する。
- 診療所における役割また、開業医としての新しいあり方について理解する。
選択診療科
泌尿器科・整形外科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・皮膚科・形成外科・臨床検査科(病理)
泌尿器科(選択研修)
目的と特徴
研修内容は専門性に近づいたものであり、泌尿器科全体にわたる疾患を受け持ち基本的な病歴や身体所見の取り方、検査手技、処置、治療等を経験することにより、日常の診療における泌尿器科的知識や能力を習得するとともに他科を目指すものにとっても有用な基本的な判断能力を習得させることを目的とする。
研修内容
A.経験すべき診察法・検査・手技
(1)基本的診察法
実際に診察し、病態を正確に把握できる所見をとらえ記載する。
- 病歴、病状等を問診し記載する。
- 全身の観察により理学的所見をとらえ記載する。
- 腹部・外生殖器を診察し、所見を記載する。
- 直腸内指診を行い、所見を記載する。
(2)基本的検査
問診、身体所見をもとに必要な検査を実施し、結果の解釈をする。
- 一般尿検査、尿沈査を行い、結果の解釈をする。
- 血算、血液生化学検査、腫瘍マーカーを指示し、結果の解釈する。
- 尿細菌学的検査、薬剤感受性検査を指示し、結果の解釈をする。
- 動脈血ガス分析を行い、結果の解釈をする。
- 病理組織検査、尿細胞診検査を実施または指示し、結果の解釈をする。
- 泌尿・生殖器の超音波検査を実施し、結果の解釈する。
- 腎・尿路の画像検査(単純・造影X線検査、CT、MRI)を実施または指示し、結果の解釈をする。
- 膀胱鏡検査を実施し、結果の解釈をする。
- 前立腺生検の適応を理解し、結果の解釈する。
- 排尿機能検査を理解し、結果の解釈する。
(3)基本的手技
基本的手技を理解し、実施する。
- 静脈血・動脈血を採血する。
- 注射を実施する。
- 創部消毒、ガーゼ交換を実施する。
- 各種ドレーン、チューブ類を管理する。
- 簡単な切開、縫合を実施する。
- 導尿・持続導尿法を実施する。
- 膀胱内洗浄を実施する。
(4)基本的治療法
泌尿器科の基本的治療法を理解し、適切に実施する。
- 泌尿器科疾患の療養指導を行う。
- 薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、泌尿器科疾患に対する適切な薬物治療を行う。
- 泌尿器科疾患に対する外科的治療を理解し、チームの一員として手術を経験するとともに、周術期管理を行う。
- 尿路性器悪性腫瘍に対する集学的治療法を理解する。
B.経験すべき症状・病態・疾患
(1)頻度の高い症状
1.腹痛 2.腰背部痛(疝痛発作) 3.血尿 4.排尿障害(尿失禁、排尿困難、尿閉) 5.尿量異常 6.排尿時痛 7.膀胱刺激症状 8.陰嚢痛
(2)緊急を要する症状・病態
1.急性腹症 2.急性陰嚢症 3.急性腎不全 4.尿路外傷 5.膀胱タンポナーデ
(3)経験が求められる疾患・病態
- 尿路結石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)
- 路性器感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、性行為感染症)
- 尿路性器悪性腫瘍(腎細胞癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍)
- 前立腺肥大症
- 神経因性膀胱
- 副腎腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫)
- 上皮小体機能亢進症
- 腎嚢胞
- 膀胱尿管逆流症
- 腎盂尿管移行部狭窄症
- 尿管膀胱移行部狭窄症
- 陰嚢水腫
- 停留精巣
- 夜尿症
- 膀胱脱
整形外科(選択研修)
基本理念
脊椎、骨、関節、等の運動器疾患の基本的な理解と、基本診断、治療手技の獲得を目指す。
研修内容
- 整形外科疾患名を記憶する。
- 外来で患者の問診とカルテ記載を受け持ち、疾患名を類推する。
- 外来で指導医の行っている診察、レントゲン等の検査オーダー、治療、処置を見学し、イメージトレーニングする。
- 病棟では指導医が受け持っている患者の、退院までのプランニングを立てる。
- 出来るだけ多くの手術に立ち会ってイメージトレーニングをするとともに、手術記録を記載する。
- 患者のみならず患者家族とのインフォームドコンセントの取り方について学ぶ。
当科研修希望者に必要な条件
- 礼節を重んじ、一般常識のわかる人。他人と上手にコミュニケーションがとれる人。
- 医師としてのプロ意識がある人。
- 予習、復習をする人。
- 将来、整形外科医になることも選択肢に入れている人。
当科の特徴
年間手術件数は400件前後、疾患別では四肢の骨折、外傷が過半数をしめる。また、部長が脊椎外科を専門としているため、年間40~50件の脊椎(主に腰椎)手術がある。マイクロサージェリーは、脊椎を除いては積極的には行っていない。変性疾患は、人工関節を中心に行っている。
眼科(選択研修)
研究内容と特徴
- 眼科医としての基本的な知識、技術を修得する。
- 眼科医としての基本的な知識、技術を修得する。
- 眼科微小循環系疾患は内科の糖尿病、高血圧、心疾患等の循環器系疾患と密接な関係を有する。
- 内科の循環器系疾患を眼科の眼底血管を直接観察することによってその病理、病態を理解し、診断、診療に至る過程を理解することを目的とする。
- 眼科診察の流れ、検査法、治療、手術に対する基本事項を修得する。
- 前眼部疾患、白内障、緑内障、眼底疾患における基礎的な眼科的検査、前眼部検査、眼底検査について学ぶ。
- 研修期間中に以下の経験目標を達成するよう努力する。
基本理念と特徴
眼科医としての基本的な知識、技術を修得する。
高血圧、糖尿病、脳卒中、静脈閉塞症等の循環器系疾患を眼底血管の観察を通して理解し、診断、治療に至る過程を理解することを目標とする。
研修内容
眼科の診察の流れ、検査法、疾患概念と治療、手術の準備と受け持ち医師の心構えについての基本事項を臨床を通して学ぶ。
眼底検査、眼底撮影、蛍光眼底撮影を実際に行う。手術入院患者を受け持つことで全身疾患の把握と全身管理、手術内容経過を理解する。
経験目標
1)診察法、検査、手技
基本的診察法
病歴聴取、眼科領域の診察(眼瞼、結膜、角膜、水晶体、眼底、瞳孔、眼球運動、視力検査)ができ、記載する。
検査
1.自動屈折検査 2.細隙顕微鏡検査 3.眼圧検査 4.眼底検査
検査結果の理解
視野検査、眼位検査、複像検査、隅角検査、蛍光眼底撮影検査、超音波検査、ERG検査、色覚検査、眼軸長検査
2)疾患
白内障、緑内障、眼底疾患、網膜微小循環疾患
3)当科では眼微小循環疾患の基礎的研究として高血圧自然発症ラットを用いてその眼底を検索することにより、高血圧における降圧剤治療の効果を比較検討している。
耳鼻咽喉科(選択研修)
基本理念と特徴
耳鼻咽喉科医としての基本的な知識・技術を修得するための初期研修から5年間の研修終了後の専門医試験合格を目指す人へも、また将来他科を専門とする人へも役立つような内容とする。
ヒト五感のうち4つの感覚(聴覚、味覚、嗅覚、平衡覚)とコミュニケーション障害を扱う感覚器外科学としての耳鼻咽喉科研修を受ける事が可能である。
研修内容
耳鼻咽喉科疾患は多岐に渡っているが、当院耳鼻科では悪性腫瘍以外のほぼ全ての疾患に対する診断、治療の経験をすることが可能である。
- 基本事項についての講義を受ける。
- 入院患者を受け持ち、各疾患についての診断、診察、手術手技についてスタッフの直接指導の下研修を受ける。又週に一度の全体回診で受け持ち以外の疾患についての理解も深める。
- 外来診察の補助にも週に数度 積極的に参加し、耳鼻咽喉科医として実際的に必要な知識、技術、態度を習得する。
- 基本的な症例から教育的症例についてカンファレンスをスタッフと共に行い、プレゼンテーションも研修医自ら行い疾患に対しての理解を深める。
経験目標
(1)診察法・検査・手技
- 基本的な診察法
病歴を聴取し、耳鼻咽喉科領域の診察(耳、鼻、頭頸部)ができ、記載できる。
外来診療機器(耳鏡、鼻鏡、後鼻鏡、間接喉頭鏡など)による視診ができる。
頸部、甲状腺の触診ができる。
音声言語の聴覚判定ができる。
感染予防に努めながら診療を行える。 - 検査
自ら実施し、正しい所見を得てその結果を判定評価できる。- 聴力検査(音叉、純音聴力検査、語音聴力検査、補充現象検査、ティンパノメトリー)
- 平衡機能検査(立ち直り検査、偏奇検査、各種眼振検査)
- 顔面神経機能検査
- 味覚検査
- あぶみ骨筋検査
- 耳管機能検査
- 鼻アレルギー検査
- 嗅覚検査
- 扁桃病巣感染症の検査
- 音声機能検査
- 内視鏡検査
- 超音波検査
代表的疾患の単純X線、断層撮影、エコー、CT、MRI、シンチグラムの読影ができる。 - 手技
- 疾患の種類、程度、患者の状態に応じて手術適応と術式の選択ができる。
- 術前・後の患者管理(輸血、輸液、薬剤投与など)ができる。
- 消毒、切開排膿、止血操作、結紮、生検ができる。
- 肉眼的及び内視鏡下の生検ができる
(2)症状・病態・疾患
- 頻度の高い症状
- 1)難聴
- 2)めまい(平衡障害)
- 3)耳痛、咽頭痛
- 4)鼻閉
- 5)頸部腫脹
- 6)音声障害
- 疾患
指定基準のB疾患に対する病態及び治療法の理解
2)中耳炎
3)アレルギー性鼻炎
その他 経験が求められる疾患
4)急性、慢性副鼻腔炎
5)扁桃の急性、慢性炎症性疾患
6)外耳道、鼻腔、咽頭、喉頭、食道の代表的な異物
(3)医療現場での経験
回診:週1回
臨床カンファレンス:週1回
講義:各専門医によるテーマ別講義
- 耳鼻咽喉頭の診察について
- 聴力検査・インピーダンス・特殊聴力検査について
- 院内(外)紹介状の書き方
- 中耳手術について
- 鼻内視鏡手術について
放射線科(選択研修)
放射線科は画像診断(interventional radiologyを含む)、核医学、放射線治療より成り立つが、当院には核医学、放射線治療の施設がなく、画像診断についてのみ研修を受入れる。
研修項目
- 放射線管理と被爆防御
- 画像診断に必要な正常解剖
- 各種検査の適応と禁忌
- 各種検査の基本的読影と所見記載
- 造影剤の使用方法と副作用に関する知識
- IVRの基本手技
経験目標:以下の検査手技、読影
- CT検査
- MRI検査
- 超音波検査
- 上部消化管造影検査
- 注腸検査
- 血管造影検査
- 胆道ドレナージ
- 動脈塞栓術
皮膚科(選択研修)
基本理念と特徴
皮膚科には湿疹皮膚炎、蕁麻疹、薬疹、皮膚感染症などの内科的疾患群と、熱傷、皮膚腫瘍などの外科的疾患群がある。また膠原病、Chediak-Higashi症候群などの全身性疾患の皮膚症状として生じる疾患群もある。第一目標は多岐多様な皮膚疾患を正確に診断し、適切な治療方針の決定ができるようにすることである。
また、分子生物学、遺伝学、免疫学などの基礎医学の進展に伴い、水疱症、角化異常症、色素異常症、皮膚腫瘍などでさまざまな知見が得られてきている。第二目標は最新の知見に基づいた疾患の理解と、治療法を学ぶことにある。
さらに、皮膚疾患には精神的なQOLを低下させやすい疾患群も多いことから、患者さんとコミュニケーションを取りながら、いかにしてQOLの改善を図るかも大切である。
研修内容
- 外来診療では、一般検査、診断、治療の基本的能力と技術を修得する。
- 入院患者を常時2,3名受け持ち、疾患の治療、全身状態の把握と管理を修得する。
- 基本的な外科的手技を修得する。
- 分子生物学的、遺伝学的、免疫学的診断法の基礎を経験する。
経験目標
(1)診察、検査、手技
- 皮膚科患者の病歴聴取
- 皮膚病変の記載、記録
- 皮膚科的な検査
3-1 貼付試験、光貼付試験
3-2 プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト
3-3 温熱、寒冷、光線誘発試験
3-4 最小紅斑量測定
3-5 内服誘発試験
3-6 皮膚生検、病理組織診断
3-7 免疫蛍光抗体法
(2)疾患
- 湿疹、皮膚炎群(アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎を含む。)
- 蕁麻疹
- 紅斑、紫斑
- 薬疹、中毒疹
- 水疱症、膿疱症
- 角化異常症
- 色素異常症
- 膠原病
- 母斑
- 良性腫瘍
- 悪性腫瘍
- 細菌感染症
- 真菌症
- ウイルス性皮膚疾患
- 抗酸菌感染症
- 性病
(3)治療
- 内服療法
- パルス療法
- 皮膚悪性腫瘍に対する化学療法
- 外用療法
- 密封療法
- 皮膚潰瘍処置
- 光線療法
- 凍結療法
- 皮膚手術(腫瘍摘出術、植皮術、皮弁形成術)
- 生活指導
- 慢性皮膚疾患患者への説明
形成外科(選択研修)
形成外科の基本理念
医師一般に必要な基本的手技を修得し,医師として必要な態度を修得することを基本理念とする。その上で形成外科診療における基本的知識と基礎的技術を学ぶことを目標とする。
研修内容
外来診療においては指導医の診療の助手を行い,また,手術においては形成外科における基礎的手術の指導を受け執刀する。それ以外の手術に関しては介助を行う。病棟においても患者を受け持ち,医師としての対患者関係,対医療従事者関係を把握し,医師として必要な態度を修得する。また,医師一般に必要な基本的手技を学ぶ。
経験目標
- 対患者・対医療従事者関係を良好に保つ。
- 手術患者の術前術後の全身管理ができる。
- 主な形成外科的疾患の診断ができる。
- 形成外科的手術手技
外来で行える治療手技
外傷の縫合術
熱傷,褥瘡,皮膚潰瘍の外用剤による治療
レーザー治療
単独で行える手術手技
良性皮膚皮下腫瘍切除術
採皮術
植皮術(簡単なもの)
皮弁形成術(簡単なもの)
瘢痕拘縮形成術(簡単なもの)
指導医の下に行える手術手技
植皮術
皮弁形成術
瘢痕拘縮形成術
鼻骨骨折整復固定術
腸骨採取術
肋軟骨採取術
筋膜採取術
真皮脂肪移植術
骨移植術
多指症合指症手術
助手を行える手術手技
眼瞼下垂症手術
小耳症,耳介先天異常手術
口唇裂口蓋裂手術
耳下腺腫瘍摘出術
顔面骨骨折整復固定術
皮膚悪性腫瘍切除術
鼠径リンパ節郭清術
遊離組織移植術
乳房再建術
臨床検査科・病理(選択研修)
本院の臨床検査科病理検査室においては生検、手術標本の病理診断、剖検、細胞診を業務とし、専任病理医と細胞診スクリーナーが担当している。臨床研修の選択診療科として臨床検査科・病理を選択できる。生検、手術標本の病理診断や細胞診断は最終的臨床診断の基礎となり、EBMの重要な一翼を担う分野であり、病理専門医を目指す医師のみならず、臨床家たるものは病理診断を修練することは治療方針を樹立し、予後を知った上でインフォームドコンセントを行うのに非常に必要なことである。
臨床研修医の選択診療科として本院の臨床検査科病理検査室において病理研修を行うための研修事項:
- 生検病理診断(内視鏡、針生検、各臓器試験切除標本);胃腸、気管支、乳腺、婦人科領域、泌尿器領域、整形外科領域、形成外科領域、耳鼻科領域、皮膚科領域。
- 手術材料病理診断(根治手術摘出標本の切り出しを含む);胃腸、食道、乳腺、肝胆道、膵、肺、子宮卵巣胎盤、腎、前立腺、骨軟部組織、皮膚、鼻腔など。
- 同上写真撮影デジタル化記録法。免疫組織化学(外注)、電顕(固定のみ)。
- 細胞診断;乳腺(吸引)、婦人科領域、気管支擦過診、喀痰、尿。
- 剖検;病理診断、報告。
- 臨床検査;化学、生理、細菌、一般、輸血。
- 術中迅速診断;毎週随時、予約制。
- CPC(内科、外科)、他に大阪地区症例検討会。
初期臨床研修評価
- 研修医手帳に研修医自身で自己評価を行う。
- 各科指導責任者は研修医手帳を確認し目標到達状況を適宜把握して、研修医が研修終了時までに到達目標を達成できるように調整する。
- 各科指導責任者は臨床研修管理委員会に目標到達状況を報告する。
- 研修管理委員会は1年目終了時、2年目終了前に各科指導責任者の報告及び研修医手帳記録をもとに各研修医の評価を行う。
- 病院長は研修管理委員会の決定を受けて、研修修了認定証を交付する。
- 評価の方法は次ぎの3段階とする。
A:目標到達の平均レベルより優れている
B:目標到達の平均レベル
C:目標到達の平均レベルには不充分である - 研修全体の評価としては下記の項目がとくに重視される。
- 病歴、現症のとりかた
- 検査計画
- 診断能力
- 治療方針
- カルテの記載、退院サマリー・診断書の記載
- 症例のプリゼンテーション
- 患者・家族への接し方
- 状況判断能力(自己の能力の認識)
- 主要疾患の診断と治療
- 主な検査法の実施、介助、判読
- 救急患者の治療
- 重症患者の治療
- 仕事の処理能力(積極性・確実性・迅速性)
- 信頼感・責任感
- 誠実さ(謙虚さ)、明朗さ
- ルールを守る
- 同僚・ナース・コメディカルとの協調性
研修管理委員会の構成と役割
(1)構成:
副院長(プログラム責任者)
臨床研修協力病院(施設)施設長
臨床研修必須診療科部長(副プログラム責任者を含む)
事務局長
総務課長・総務課係長
(2) 役割:以下の事項について協議し決定する
- 臨床研修プログラムの作成と管理
- 研修医の採用に係わる事項
- 研修医の全般的指導と管理
- 研修状況、研修記録の評価
- 研修後の進路相談・支援
- 研修終了の認定
- 臨床研修についての環境整備
- その他臨床研修に係わる事項
初期臨床研修医の処遇と採用
- 身分:研修医
- 勤務時間:平日午前9時~午後5時25分
土曜午前9時~午後1時15分(4週7休)
但し研修プログラムに含まれる時間外の教育的行事には出席しなければならない。
(例)CPC、各種セミナー、カンファレンス、講演会など。 - 当直:副直として上級当直医とともに診療に当る。当直手当てについては別に定める。
- 時間外診療:重症ならびに緊急診療等のため夜間・休日診療に携わることがある。
時間外手当については別に定める。 - 社会保険制度、健康保険あり。医師賠償責任保険制度:あり。
- 学会への参加:所定の範囲での交通費・宿泊費・参加費の費用について病院負担。
- 健康管理:定期健康診断あり。
- 給与:1年次 30万円、2年次 30万円、勤務奨励金(賞与に相当)年2ヶ月
(参考:初期研修終了後のシニアレジデントは月給38万) - 宿舎あり、通勤手当あり。
- 休暇:所定の年次休暇、夏季休暇あり。
| 定員 | 1学年 3名以内 |
|---|---|
| 面接・試験 | 平成20年8月 7日(金)(応募締切は8月 1日(金)必着) 平成20年8月15日(金)(応募締切は8月15日(金)必着) |
| 問い合わせ先 | 〒584-0082 大阪府富田林市向陽台1-3-36 大阪府済生会富田林病院 総務課 TEL 0721-29-1121 FAX 0721-28-3550 |
